リアルボイス

2021.11.17

全国を飛び回りながら新人教育に力を入れる歯科衛生士。 失敗から学んだ後輩指導のポイントとは?

#スタッフ紹介#お仕事紹介#中途採用

PROFILE

湘南歯科クリニック大阪心斎橋院の歯科衛生士。一般歯科、審美歯科、自費専門歯科など様々なクリニックを経て2013年に入社。野菜ソムリエの資格を持ち、サーフィンが趣味。最近のマイブームはお風呂上がりにボディクリームをたっぷり塗って保湿すること。(取材:2017年2月21日)

今回は湘南歯科クリニック大阪心斎橋院で働く歯科衛生士の大久保さんに人材育成の大変さややりがいについてお話をお聞きします。

挑戦できる環境がある喜び

普段は大阪勤務ですが、今は1ヶ月間だけ新宿院にヘルプ勤務中なんですよね?(2017年2月当時)

そうなんです。湘南歯科クリニック名古屋院がオープンした時の教育スタッフとして3ヶ月間名古屋に在籍していたこともあるんです。SBCメディカルグループ(以下SBC)に転職した時はこんなに全国を飛び回るとは思っていなかったですね。でも、これまで様々な職場で身につけてきた歯科衛生士としての経験を活かしながら、新しいことにどんどん挑戦させてもらえるので、毎日全然飽きないです。

どのような新しいことに挑戦しているのでしょうか?

例えば、歯磨き粉の開発もやらせてもらいました。心斎橋院の院長が「もっと歯を白くできて、身体に優しい歯磨き粉が欲しいな。」と言っていて、自分なりに薬効作用を調べてみたんです。そうしたら、こんな歯磨き粉があったらいいんじゃないかとアイデアが浮かんできて。それで、「こういう成分を配合したいんです」と開発の方と試行錯誤しながら、歯磨き粉を作ったんです。

素晴らしい行動力ですね!歯科衛生士さんが商品開発に携わることはよくあることなのですか?

いいえ、こんなことはあまりないです。他にも、「もっと歯に悩む人を支えたい!」という院長の想いで心斎橋院では歯周病治療を行うことになったのですが、施術内容決めや料金設定、治療期間なども院長と相談して決めていきました。前職では経験できなかった仕事ができて嬉しかったですね。

スタッフとの信頼関係はコミュニケーションの質と量で変わる

様々なことにチャレンジしている大久保さんですが、その中でも特に力を入れていることは何ですか?

後輩たちが一人前になるための教育です。冒頭でお話したとおり、心斎橋院だけではなく、名古屋院や新宿本院にも訪問しているのは、教育担当としての役割を任されているからなんです。

教育といってもただ技術を教えるだけではないですよね。

そうですね。モチベーションを上げるなどメンタル面でのケアも必要なので、教育って本当に大変だなと思います。しかし、後輩の子たちが成長した姿を見ると、嬉しくなって、今までの苦労も忘れてしまいますね。名古屋院オープンで教育係として入った時に、主任候補なのに「リーダーのポジションにはなりたくない」と頑なに拒否していた女の子がいたんですよ。だけど、私が在籍していた3ヶ月の間に気持ちが変化して、最後には「3年後には大久保さんを越します」と言ってくれました。今は名古屋院院長の前田先生の右腕になるくらい成長しています。

名古屋院の皆さんとの一枚。

3ヶ月の間に、大久保さんはどのようなことをしたんですか?

一番は信頼関係づくりです。「お客様の話をきちんと聞こう」とか、「手を抜いたらダメ」という話は信頼関係が無いと聞いてもらえないので。もし信頼関係の無い状態で指導してしまうと、「何で頭ごなしに怒るの?」と後輩の反発心を生むだけ。最悪の場合は先輩もできていないのにと思われてしまい、さらに信頼関係をなくしてしまうことに繋がりかねません。

後輩の皆さんと信頼関係を築くために、意識されていることはあるのでしょうか?

やはり、信頼関係を築くのにはコミュニケーションの質と量にこだわるのが一番!業務中に時間をとったり、ご飯に誘ったりして、その子がどうなりたいのか、何を頑張っているのかなど、きちんと把握するようにしていますね。

なるほど。教育をする前に信頼関係を築こうというのは、教育担当として初めから意識されていたことなんですか?

いいえ、そんなことはありません。もともと「それは違う」と思ったら黙っていられないタイプなので、最初はだいぶ相手を追い詰めていたと思います。教育係を引き継いだばかりで関係性が出来上がっていないのに、「何でできないの?」「何でしないの?」と、頭ごなしに問い詰めていました。

そうだったんですね。そういったコミュニケーションを取ってしまっていた時の後輩の方たちの反応はどうでしたか?

すごく器用で要領の良い後輩がいたのですが、その子が業務に慣れてきたことで仕事に手を抜くようになってしまったんです。「どうして◯◯という手順を抜かしてしまうの?何で?」と聞いたら、「だって私、手を抜いてますもん」と言われてしまいました…。

そう言われてしまったのは、結局のところ信頼関係がないのが原因だったと思います。急に教育係として現れた私にいきなり問い詰められたら、「何であなたなんかにそこまで言われないといけないの?」と思うのも当然ですよね。私の対応が、彼女を開き直させてしまったのだと反省しました。

その反省を経て、大久保さんに変化はあったのですか?

はい。それからは後輩との会話の量を増やして、業務をよく見るようにしました。頭ごなしに叱るよりも、その子がどんなことを考えて行動したか、どう改善したら良いのかを一緒に考えるようになったんです。落ち着いて本音を伝えたかったし聞きたかったので、お手紙交換もしましたね。ちょうど私がクリニックを空ける時だったので、「私がいなくなる3ヶ月間の成長を楽しみにしてるよ」と伝えました。それから3ヶ月後、彼女と会ったんですけど、嬉しいことに誰よりも成長していたんです。それは話をしただけで一発で分かりました。教えている時は、心が折れそうになることもありますけど、やはり成長を感じるとすごく嬉しいのでやりがいがあります。

嫌われてもいい、スタッフの成長のために向き合う覚悟

後輩の皆さんに指導することは、手間も時間もかかると思うのですが、大久保さんはどうして教えることにそんなにエネルギーを割けるのでしょうか?

頑張ったら頑張った分だけ評価してもらえるSBCの環境は、本当に贅沢だと思うからです。その有り難さを後輩たちに伝えたいんです。街の歯医者さんでは、歯科衛生士の評価は院長に気に入られるかどうかにかかっている面があります。本来は一人ひとりのお客様に合わせて対応すべきなのに、「頑張っても意味がないのでは?」と考えてしまうと、仕事をこなすだけになりがちなんです。そうすると、仕事は楽しくないけどお金のために辞められないという状況に陥ってしまいますよね。

だけど、SBCでは、同僚や先生方がきちんと頑張りを見てくれています。業務中でも仲間同士で褒め合いますし、SBC AWARDという年に一度、お互いの功績を讃え合うグループ全体のイベントもあります。ですから、頑張らないともったいないと思うんですよ。だからこそ、後輩たちのモチベーション作りは手を抜かず頑張っていきたいですね。

後輩の皆さんに対して、その熱い想いは伝わっていると思います。

教育担当として指導している中で、私のことを嫌ってくれていいと思っています。そう考えるようになったのは、以前勤めていたクリニックでの経験がきっかけです。そこは、スタッフたちが英語の論文を読んで勉強するくらい技術レベルの高い職場で、教育熱心な人たちが集まっていたんです。本当に嫌いになるくらい熱を入れて教えてくれたのですが、人間関係がしんどくなって2年くらいで退職してしまいました。だけど、退職後に先輩や先生が学会で堂々と発表している姿を見て「自分ももうちょっと頑張っていたらもっと成長できていたのかな」と少し後悔したんですよね。

熱心に教えてくれた人ほど後になってみると感謝するようになると思うんです。だから、その時は嫌われても数年後に好きになってくれれば良いかなと思うようになりました。本当は好かれたいですけどね(笑)でも、「私を嫌いになってもいいから成長してほしい」という想いの方が強いです。耳が痛いことも言うけど、後輩に対して愛を持って接していきたいですね。お客様に喜んでいただける最高のクリニックにするためも、これからも現場の教育に力を入れていきたいと思います。

本日は貴重なお話をありがとうございました!

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