リアルボイス

2021.12.14

「人の役に立ちたい」という志から、オリンピックのスポーツドクターに

#理念エピソード#ドキュメンタリー

PROFILE

湘南美容クリニック秋葉原院院長 名倉 俊輔(なぐら しゅんすけ)医師
2011年にSBCメディカルグループに入職し、2012年には川崎院の院長に就任。その後複数クリニックの院長経験を経て、2020年にエリア統括ドクター就任。

6年前からの準備を経て、オリンピックに初参加

2021年7月、日本にて開催される運びとなった「東京オリンピック」。
今回は、東京オリンピックにスポーツドクターとして参加している、SBCメディカルグループ(以下SBC)所属の名倉医師に話を聞いた。

オリンピック開催において医療従事者の存在は重要である。
競技中の選手の事故を想定した医療体制を敷くことも重視されているが、開催時期を考えれば、運営スタッフや各国からのゲストも含め熱中症や食中毒、やけどほか、酷暑による健康被害への対策もマストである。
また世界中から大勢の人々が集まる大規模イベントのため、事故や輸入感染症などの懸念もあり、予測可能な事態には予防的対策と発症した際の対応準備が必要なのだ。

本日は、実際に東京オリンピックでスポーツドクターを務めている名倉医師に話を伺います。まずはじめに、スポーツドクターとしてオリンピックに関わることになったきっかけを教えてください。

「お声がけ頂いたことが参加のきっかけではありますが、実は6年前からオリンピックに参加する準備をしてきました。自国でオリンピックを開催することが決まり、それなら医師という立場を活かして関わってみたいなと。そこで、プライベートを利用してスポーツドクターの資格を取り、救急などの緊急時に必要な技術や知識も身に付けて準備をしてきたんです。」

スポーツドクターの資格を活かし、競技ドクターとして活躍する名倉医師。

通常の業務を行いながら、スポーツドクターの資格を取得することは大変でしたか?

「スポーツドクターの資格取得自体はそんなに難しいことではないですが、通常クリニックで行う外科医としての業務には関係ないものですし、取得のためには覚悟も準備も必要でした。ただ、このような事前準備のお陰で、お話を頂いた時にすぐに飛びこむことができたんです。」

あらかじめしてきた準備があってこそ、オリンピックのスポーツドクターというやりがいのある立場に立つことができるのだろう。チャンスを生かすも殺すも自分次第だと名倉医師は話す。

「自分はセーリングの競技ドクターを行っているのですが、競技の特性上、船上で医療行為(救急医療)を行わなければなりません。1日中船上で過ごすこともあるので体力が必要です。私はもともと大学でヨットをやっていたこともあり、今回は適任だったと思います。」

オリンピックにおけるスポーツドクターの役割

次に、スポーツドクターの役割を教えていただけますか?

「選手や競技関係者が安心して競技できる環境を整えることが我々のミッションです。今回のオリンピックでは観客はいませんが、運営スタッフの数は多いので、トラブル防止のため医療従事者が複数名勤務をしています。」

競技会場では具体的に何を行うのでしょうか?

「基本は海上で待機や見回りを行っています。日によって医務室にいることもありますね。とはいえ、医務室にいても何かあってからでは遅いので、ほぼ1日中海にいます。船上には医師と海上自衛官が控えていて、何かあったときにはすぐに動けるよう準備態勢を整えているんです。」

長い日は朝10時頃から競技が終わるまで終日船上で待機を行うことも。救命や競技に精通しているだけでなく、体力のある医師でないと成り立たない。

普段は海上自衛隊の方と一緒に働く機会もないので、貴重な経験だと名倉医師は話す。

「その他、医務室で勤務する時は、各国の医療従事者を帯同しているゲストの方が見学にいらっしゃるので、その対応も行っています。海外の選手にトラブルがあってからでは遅いので、事前に医務室や医師の勤務状況を確認したいのでしょうね。」

船上での見回りや、各国のゲスト対応など、スポーツドクターの業務は多岐にわたる。さらに、名倉医師はこのハードな業務をクリニックの勤務と並行して行っているという。

「普段はクリニックで美容外科医として勤務し、休日を利用してスポーツドクターのボランティアを行っています。今月はほぼ休みはゼロですね。江の島は結構遠いし、意外と大変です(笑)。」

1か月間の休みゼロ(!)と多忙を極める名倉医師。プライベートの時間を削ってでも、オリンピックに医療従事者として参加したい、と思ったという名倉医師を突き動かすものは何なのだろうか?

人の役に立ちたいという気持ち

「スポーツドクターとしてのオリンピックへの参加は、純粋に人の役に立ちたいと思う気持ちから来ています。」

そもそも、医者になったきっかけを「人の役に立ちたかったから」だと名倉医師は話す。

「自分の能力を活かしたい、人の役に立ちたいと思って医者になりました。せっかく医者になったので、あらゆるジャンルにおいて医者にしかできない手助けをしたいと日頃から思っています。」

クリニックで勤務されているときも、同じ気持ちなのでしょうか?

「もちろんです。自分のことを指名してくださり、わざわざ遠方から来てくださるお客様が多いので、お客様の期待に応えるべく技術を磨いたり、学会発表も精力的に行っています。美容医療の特性上、お金儲けのイメージが強いと思いますが、私はそういう精神ではやっていません。保険診療とは異なり、お客様に選んでもらえることが美容医療の醍醐味。人の役に立つために美容外科医になりましたが、やはりダイレクトに「お客様の役に立っている」と毎日実感しています。」

秋葉原院の院長として、クリニックでは執刀を行う。執刀したお客様は約1万5千人(処置などを含めると7万人)を超え、全国から名倉医師を指名するお客様が来院。

クリニックでも充実した日々を過ごされていますが、なぜスポーツドクターを志されたのでしょうか?

「もともとスポーツが好きでしたし、今回は美容医療とは全然違う畑で人の役に立ちたいと思い、参加を決めました。」

実際に参加されてみての感想はいかがでしょうか?

「恵まれた環境で業務に取り組めていると感じています。周りのスタッフも全員ボランティアなのですが、志が高く、誰かの役に立ちたいと思っている方が非常に多いので、気持ちがいい環境で働けています。もちろん、自分がやっていたセーリングという競技の最高峰のレベルを間近で見れることも嬉しいですね。」

参加前とのギャップはありますか?

「うーん、ギャップはほとんどないですね。ただ、海上にいることでとても日焼けするので、クリニックに来院されるお客様から見たら“なんでこの人こんなに黒いんだろう?”と思われている可能性があります(笑)」

日頃からの準備を生かして、オリンピックという晴れ舞台で第一線のスポーツドクターとして活躍する名倉医師。

名倉医師が医者になったきっかけである「人の役に立ちたい」という気持ち。目の前で人が倒れたらいつでも助けられるようにトレーニングしていた結果が今まさに出せていると名倉は笑顔で話す。

「実際にスポーツドクターとしてオリンピックに参加してみて、美容医療以外の分野でも役に立てることの証明に繋がりました。」

コロナ禍であってもオリンピックには医療従事者が必要

2021年、コロナ禍においてもオリンピックの開催が決定。医療体制が逼迫している中での医療従事者の募集に、組織委員会に対しても応募した医師に対してもネガティブな意見が見受けられた。

オリンピック開催に対するネガティブな意見に対して、どう思いましたか?

「どんな仕事でもどんなプロジェクトでも、できないという人はいます。でも自分はできる前提で考えるようにしています。実際にやると決まったら、どのようにしたらうまくいくかを考える。今でも反対意見の方がいますが、自分ならせっかく来日してくれる各国の選手たちのために、何ができるかを考えた方が建設的だなと思います。」

「医療従事者の募集についても様々な意見が出ていますが、自分は個人の休日を使っているだけなので、通常の業務には支障が出ていません。このように休日返上でも人の役に立ちたい、と思っている人はたくさんいますし、モチベ―ションや志が高い人が集まって、オリンピックは成り立っていると、身を以て感じています。」

江の島で行われているセーリング。医療従事者をはじめ、多くの運営スタッフが力を合わせオリンピックを成功に導く。

オリンピックなどの大きなスポーツイベントにおいて、医療従事者は必要不可欠だと名倉は話す。だからこそ、自分が、と手を挙げたのた。

オリンピック開催において、医療従事者は必要だと思いますか?

「絶対に必要だと思います。オリンピックは4年に一度の開催なので、選手が無理をしがちなんです。それによるケガの発生を防ぐためにも、医療従事者の存在は欠かせません。あとは、医療従事者が現場にいることによる安心感の醸成も含めて、トラブル回避に繋がっているなと感じています。」

トラブルという話が出ましたが、競技会場で医療トラブルなどはありますか?

「今のところ大きなトラブルはないですが、具合が悪くなる人は結構いますね。でもそのために自分たちスポーツドクターがいます。運営スタッフが多いので、倒れる人やケガをする人が出ることもあり、その都度対応をしています。ただ意外かもしれませんが、セーリングという競技の特性上、熱中症になる人は他の競技よりは少ないかもしれません。セーリングは風が吹かないとできないスポーツですからね。」

今年は例年と異なり、コロナウイルスの感染リスクと闘いながらのオリンピック開催となったが、現場では感染対策がしっかりできているという。

今年は完全無観客という、かなりイレギュラーなオリンピックになりましたね…。

「自分は初めてのオリンピック参加なのですが、かなりイレギュラーだと思います。やるかどうかわからない期間が多かったため、準備できていないことが多いんですよ。緊急事態宣言中で、事前に集合することもできなかったですし。そんな中でも、実力がある人が集まっているからトラブルもなく開催出来ていると思います。主体的に動けない人が多かったら、ここまでスムーズに進んでいないのではないでしょうか?」

トラブル回避のために、運営スタッフや医療従事者が出せる全力でオリンピックを支えている。

「ありきたりですが、啓蒙活動を続けることで防げるトラブルがあると思っています。熱中症予防とか、1日に飲む水の量を増やすとか、医療従事者の目線で現場に知見を提供できる存在でありたいですね。」

運営スタッフや医療従事者の努力の甲斐もあり、今のところ大きなトラブルはなくオリンピックは進んでいる。コロナ禍で開催されたオリンピックの成功は関係者全員の大きな願いだ。

オリンピックを通した社会貢献活動

スポーツの持つ価値は、社会において重要な意味がある。この状況下であるからこそ、オリンピックで励まされる人は世の中にたくさんいるだろう。スポーツドクターとしてオリンピックを支えることは、社会への大きな貢献であるといえる。

SBCは様々な形で社会貢献を行っているが、名倉医師はスポーツドクターという立場からの社会貢献を選んだ。

全国で行われている大規模コロナワクチン接種にも医師や看護師の派遣を行うなど、様々な社会貢献を行うSBCメディカルグループ。

社会貢献にはもともと興味をお持ちだったんですか?

「社会貢献への想いは強いです。そのために医者になったので。日々技術を磨くことで、お客様や社会への還元が出来ていると思っています。」

SBCの企業理念である「究極の三方良し」の考え方にとても近いですね!

「そうですね。お客様だけでなく、一緒に働くスタッフからも、自分と働いていてよかったな、と思ってもらえる人でありたいです。そのためにももっと自分を磨いていきたいですね。三方良しの考えだけでなく、SBCの社風自体が自分にとても合っているなと感じます。」

SBCの社風のどの部分でしょうか?

「挑戦の文化ですね。今回のように休日返上でボランティアしていても、他のスタッフは前向きにとらえてくれているんです。この社風は自分の価値観ととても合っています。あとは枠に捕らわれない社風も好きですね。」

これからも社会貢献をしたいと思いますか?

「もちろん。今後もやり続けたいと思っています。オリンピック以外では、被災地の力になりたいですね。実はSBCに入社したのが東日本大震災の年で、入社直後に相川代表と被災地に行かせてもらった経験があります。SBCに入りたてで何も分からないにも関わらず、被災地で様々な手助けができたと思うので、今後はそういう機会にも積極的に参加していきたいです。」

全国から集まったオリンピック運営のボランティアスタッフ。強い志を持ったスタッフばかりだ。

医師免許という資格があるからこそ、やれることの幅が広がるし、役に立てる場所も多い。様々な場で資格を生かして社会や人のためになりたいと話してくれた。

こんな医師になりたい、という目標はありますか?

「今日よりも明日の方が外科医として成長している、という積み重ねができる医師になりたいですね。美容医療は魔法じゃないけど、魔法のように変えることを求めるお客様は多いです。その一人ひとりの気持ちに応えられるように、人間力と技術力を磨き続けたいと思っています。」

今日は興味深いお話をありがとうございました!最後に、一緒に働くSBCのスタッフへメッセージをお願いします!

「周りの役に立ちたい、挑戦してみたい、やったことないことに取り組んで自分の視野を広げたい、といつも自分は考えています。同じ給料だったら楽して稼ぎたいと考える人もいますが、自分の能力で人の役に立つことってお金以上の価値があると思うんです。皆さんにも新しいことに挑戦してもらって、新しいやりがいに気付いてもらえたら嬉しいです。」


「人の役に立ちたい」という気持ちで、どこまでも前向きに進み続ける名倉医師。
その機会が現れたとき、チャンスを掴むための努力を惜しまない、名倉医師の挑戦はこれからも続く。

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