リアルボイス

2025.08.13

産科病棟から不妊外来の看護師へ。チーム医療で、悩める女性の不安に寄り添うエキスパートに

#スタッフ紹介#お仕事紹介#中途採用

PROFILE

総合病院の産科病棟にて看護師として7年間勤務したのち、2022年7月にSBCメディカルグループの不妊外来である六本木レディースクリニックに入社。現在は、外来介助、オペ介助、内診介助、採血、薬の処方、無料相談対応など、さまざまな業務に従事している。

産科病棟の看護師として7年間のキャリアを経て、不妊治療専門のクリニックへ――。SBCメディカルグループの不妊外来である六本木レディースクリニックで働く野津さんは、体外受精という繊細な治療に向き合う患者様の“心の声”に寄り添いながら、専門性の高い医療現場で日々成長を続けています。不妊治療の最前線で働く看護師としての新たな可能性と、クリニックでの日々を伺いました。

産科病棟から不妊治療へ。“女性を支える仕事”を続けたいと思った理由

野津さんはもともと、産科病棟の看護師をされていたそうですね。

前職では、看護学校を卒業後、そのまま付属の病院に7年間勤務していました。たまたま配属されたのが産科病棟でしたが、女性に寄り添い、生命の誕生を間近に感じられる、素敵な診療科だと思って働いていました。

夜勤専従やリーダー業務もこなすようになって、新しく覚えることもなくなっていたので、そろそろ次のステージに進みたいなと思い始めたのが転職のきっかけです。夜勤も嫌いではなかったんですが、今後の体調管理やライフスタイルを考えたとき、規則正しい生活にも正直なところ惹かれました。夜勤中には、緊急の帝王切開や緊急入院などでバタバタする場面も多く落ち着かなかったので、もっとゆっくり患者様と向き合いたいなと思ったんです。

病棟勤務を経験している自分だからこそ、不妊治療の現場でも、“点”としてその場だけの対応をするのではなく、過去から未来へ、治療期間を“線”としてとらえ、患者様に寄り添うことができるのではと思いました。そこで、婦人科や不妊治療を扱っているクリニックに絞って転職先を探し始めたんです。都内の大手医療機関をすべて見たうえで、SBCの理念やビジョン、働きやすさが決め手となり、最終的にSBCに転職を決めました。

転職先として、SBCのどこに魅力を感じたのでしょうか?

前職もとても良い環境だったので、同じように環境の良い職場で働きたいという気持ちは強かったです。転職先を探す中で、チームワークや職場環境は一番大事な部分だと思っていましたし、人間関係は特に重要視していました。その点、SBCの採用ページには理念やビジョン、行動指針がしっかりと示されていたので、これを見て集まってきた人たちに悪い人はいないはずだと思いました。

実際SBCは良い人たちばかりです。教育担当の先輩は私より年下でしたが、本当にしっかりしていて尊敬できる部分も多く、年齢なんて関係ない雰囲気で働いています。総合病院時代と比べて、SBCの仲間は理念が共通認識になっているからこそ、同じ方向に向かって進んでいけているのだと思います。

 

安心の裏側にある、医療を提供する側としての責任

野津さんから見た六本木レディースクリニックの魅力はどんなところにありますか?

まず印象的だったのは、医療を提供する側としての対応の丁寧さです。前職にはなかった“接遇のテスト”があり、技術の統一だけでなく、患者様に対して接遇面でも一定の質を保つための取り組みが徹底されています。そのうえで、一人ひとりに対して+αの価値を届けようとする姿勢が根付いていて、「ここならではの医療」を本気で実現しようとしている点に魅力を感じました。

また、複数の医師が在籍していることで、患者様自身が治療内容や雰囲気をもとに、自分に合った医師や治療法を選べるという利点があると思います。また、提供している医療技術に関しても、常に最新の技術を取り入れ、高い妊娠率を実現しているという自負があります。

看護師としてのキャリアの長い野津さんですが、意外にもSBC入社後の技術習得で苦労されたそうですね。

不妊治療の現場は、私のいた産科とは全く違う分野でした。産科に来る患者様は妊娠自体は達成しているわけですが、不妊治療は“妊娠するまでのお話”になります。妊娠の経過については教科書に載っている程度しか知識がなかったので、ホルモンのこと、どういう流れで排卵し、受精するのか、体外受精はどのような技術か、どのように手術をして採卵し、移植をするのか…、全てにおいて新たな知識の習得が必要でした。

特に大変だったのは、研修期間である6か月以内に技術のテスト・知識のテストの両方で合格することです。前職はSBCほど体系的なマニュアルが整っていなかったため、最初は戸惑いもありました。しかし、業務を進める中で、マニュアルに基づいて行動することが、チームとして安定した医療技術を提供するために非常に重要だと実感しました。誰が担当しても一定の品質を保てるのは、この仕組みがあるからこそ。不妊治療というナイーブな治療をしている患者様に質問されて、手技がわからない、答えられないというのはあってはならないですから。

 

患者様一人ひとりに合わせたケアを、チームで支える職場

 六本木レディースクリニックの職場環境はいかがですか。

クリニックには、フロアに医師が何人もいて、外来や手術の際にも常にお話するので、病棟勤務時よりも医師と看護師が近い関係にあると思います。また、スタッフは20代半ばから30代までと年齢層は幅広いのですが、年齢にかかわらず、自分の仕事に責任を持って積極的に自ら動いて仕事をするスタッフが多いですね。
病棟勤務では日勤や夜勤など勤務時間が異なるため、普段あまり接点のないスタッフも多くいました。一方、クリニックではスタッフ同士の関わりが自然と密になるため、声かけを大切にしながら、より働きやすい環境を保つためのコミュニケーションを工夫しています。

野津さんの現在の1日のスケジュールを教えてください。

クリニックでは早番と遅番があり、たとえば早番の日に採卵オペ室を担当すると、忙しさが一気に増します。多いときには6〜7件の採卵が続くこともあり、1件あたり10分ほどで終わる移植と違って、採卵は時間も気も使うため、午前中ずっとオペ室にこもりきりになることも。
午後は、私が教育担当になっている後輩との面談や業務の振り返り、自分の担当業務などを行う時間になります。

前職では医師の回診や診察の介助、産前産後のお母さんのケアがメインだったとお聞きしています。オペ室に入られた経験はなかったのではないかと思いますが、すぐに慣れましたか?

実はオペ室に入ったのは、看護学生の時の見学以来でした。滅菌操作や麻酔を使う患者様の鎮静のコントロールなどの経験もなかったんです!
新しい技術の習得には時間はかかりますが、マニュアルを覚え、体を動かすことでどんどん身に付いたと思います。また、最初は教育担当の先輩看護師がついてくれて、自分に何か抜けがあってもしっかりフォローしてくださるので、安心して学ぶことができました。
仕事で落ち込んだときも、職場の先輩や同僚に声をかけてもらって、救われたことはたくさんあるので、この先誰かが悩んでいたら、今度は自分が優しい声をかけられたらと思っています。

また、六本木レディースクリニックでは、看護師による無料相談も実施しています。なかなか珍しい業務ですよね。

そうですね。SBCに入って初めて経験しました。看護師による無料相談は予約制で、通院を悩まれている方、不妊治療についての小さな疑問に看護師が1対1でお話を伺い、親身になってお答えしています。
初診でご来院されると、治療に入る前段階として緊張してしまったり、医師と話すことで診察料が発生してしまったりすることがあります。その点、この無料相談では、不妊治療について知識がなくても妊活について相談できたり、ときには男性のみでいらっしゃる場合も。また、中国からの患者様が、都度来日して治療を受けることができるかご相談にのることもあります。
私と話すことで少しでも治療が身近になってもらえたらと思ってご相談に乗っていますが、皆さんに喜んでいただけて、とてもやりがいを感じています。

産休を経て、またこの職場に戻ってきたい

野津さんの好きな業務は、どんなお仕事でしょうか?

私は患者様とお話ししている時間が好きですね。例えば私たち看護師はオペの前に患者様に心電図をつけて先生が来るのを待つのですが、患者様の心拍数がすごく上がって緊張されているなというのがモニターの数値からわかってしまうんです。そんなときには「緊張しますよね」と言って和ませたり、「痛みを感じたら、すぐ教えてくださいね」とお話ししたりすると、「おかげで緊張が和らぎました」という嬉しいお言葉をいただくことも。治療を乗り越えた患者様から妊娠のご報告をいただくと、心から嬉しくなります。

患者様からの信頼を集める野津さん。患者様と接するときに心がけていることがあれば、ぜひ教えてください

患者様にこちらの意思を押し付けたり、踏み込みすぎたりしないよう心がけています。
採卵をして、移植をしてという場面だったり、手術に入る場面、ご懐妊されたとき、残念ながら流産となってしまったとき…。その瞬間に患者様がどういう思いでいるか、このクリニックに来ている時だけでなく、プライベートも含めてどんなメンタルでいらっしゃるのか。全てを想像して、上辺だけの言葉でなく、それぞれの患者様に合った言葉を伝えようと思っています。

今後、野津さんはこのクリニックで、どんな働き方をしていきたいと思われていますか。

実は、今自分が妊娠しておりまして、9月末から産休に入ります。そのため、この先のビジョンはまだ考えにくいところではありますね。でも初めての子どもを身ごもって、より一層、治療に臨まれる患者様の気持ちがわかるようになりました。

患者様の気持ちに寄り添い続ける野津さんには、この先も六本木レディースクリニックで看護師として活躍していただきたいですが、仕事とプライベートの両立はできそうでしょうか。

もちろんです。研修期間中は、自分の技術習得にフォーカスする必要はあると思いますが、一通り知識や技術を身に付けた後は少し余裕が出てきます。お休みの時はしっかり休み、働くときにはしっかり働く。まさにメリハリを持って働ける職場だなと思っています。素敵な職場なので、出産後にもぜひ戻ってきたいなと思っています。

専門性の高い不妊治療の現場で、患者様の気持ちに丁寧に向き合う野津さんの姿勢に、看護師としての誠実さを感じました。これからも、看護師として、一人の女性として、患者様に安心を届ける存在でい続けてください。今日はありがとうございました。

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