中国で生まれ、小学5年生から日本で生活している左さんは、語学力をもっと活かした仕事をしたいという思いから転職活動を始め、SBCメディカルグループ(以下、SBC)の一員に加わりました。
“当初は美容の知識は全くなかった”という彼女ですが、今ではインバウンド需要の高まりの中で、通訳としてSBCに欠かせない存在になっています。そんな左さんの成長の軌跡を伺います。
中国と日本、異なる文化の中で育った経験を力に、未経験から通訳の道へ
左さんは今、専門性の高い通訳としてご活躍されています。まずはSBCに入るまでのご経験を教えていただけますか?
中国語と日本語、2つの言語に囲まれて育つ中で、自然と「語学を活かした仕事がしたい」という思いがあり、専門学校時代はエアライン業界を目指していました。ただ、コロナ禍で観光業界が大きな影響を受けてしまったため、卒業後は貿易会社へ就職を決めました。輸出入に関わる仕事でしたが、語学を使う機会が思ったより少なく、もっと語学力を活かせる仕事がしたいと転職を考えるようになったんです。
多くの企業がある中で、SBCに強く惹かれたのには、きっと明確な理由があったのではと思います。どんな想いで応募を決められたのでしょう?
私がSBCを選んだのは、語学力を活かせる環境だと感じたからです。
これまで中国と日本、両方の文化の中で生活してきた経験から、言葉や価値観の違いを感じる場面がたくさんありました。SBCには海外からのお客様も多く来院されるので、日中両方の文化を理解している自分なら、その橋渡し役になれると思ったんです。語学力を活かしながら、SBCの魅力を世界に発信し、海外からのお客様にも安心して施術を受けていただけるようサポートしたいという気持ちが強くなりました。
また、お客様だけでなくスタッフや社会貢献の考えを大切にするSBCの“三方良し”の理念にも深く共感しました。スタッフが安心して働ける職場だからこそ、一人ひとりが力を発揮できて、それが結果的にお客様の満足や会社の成長にもつながる。そうした環境で信頼関係を築きながら、自分も会社や社会に貢献していきたいと思いました。
“信頼できる美容医療の施術を、日本で受けたい”――。中国のお客様に応えるために
現在は通訳としてご活躍されていますが、SBCに入社してからこれまで、どのようなお仕事をされてきましたか?
入社後、最初に配属された湘南美容クリニック船橋院では、コンシェルジュとして働きながら、月に1〜2回ほど中国からのお客様の対応をしていました。
その後、上野院に異動。上野駅は成田空港からのアクセスが良いため、中国からのお客様が多く来院されます。この院では、通常のコンシェルジュ業務とは別に中国語のホームページの翻訳やSNS投稿、接客なども担当しました。言葉が通じないという不安を抱えながらご来院されるお客様を中国語でご案内し、施術の際には医師の言葉をその場で翻訳してお伝えすると、皆さん安心されて喜んでくださるので、とてもやりがいを感じていました。そして昨年、通訳センターが新設されると聞き、SBC全体で「通訳対応が当たり前にできる環境」を実現したいという思いから公募制度に応募しました。
現在所属している通訳センターでは、全国の湘南美容クリニックにご来院される海外のお客様に対して、オンラインで通訳を行っています。私は中国語の担当として、お客様・スタッフ・医師の三者間のやりとりをリアルタイムでつなぐ役割を担っています。
SBCはホームページで多くの情報を発信していて、症例や金額についてもとても透明性があるので、海外のお客様からの信頼も厚いんです。年に2〜3回の日本旅行の際に施術を受けに来るお客様もいるほど!「姉妹3人ともSBCのファンです」と言ってくださる方もいて、この仕事の意義を実感しています。
中国から来られるお客様は、どのようなお悩みを解決したくてSBCを訪れているのでしょうか?
中国からのお客様に特に人気があるのは、若返りや美肌に関する治療です。今、中国では美肌治療がとても注目されていて需要も高いのですが、治療費が日本の数倍とかなり高額なんです。日本の美容医療技術や薬剤に対する信頼感が大きく、日本で観光を楽しむついでに美容も、という方が多いですね。お客様の年齢層も幅広く、10代から60代まで、性別を問わずさまざまな方が来院されている印象です。
“訳す”だけではない。通訳に必要なのは、相手の気持ちをくみ取る力
ここからは、通訳のお仕事についてもう少し詳しくお聞きしたいと思います。左さんは毎日多くのお客様と向き合っていらっしゃると思います。1日の仕事の流れを教えてください。
現在は予約制で1日4枠(午前と午後に2枠ずつ)、最大で4人のお客様の通訳に入っています。全国のクリニックに来院されたお客様と、1人あたり2時間までという時間制限の中で、スタッフや医師とのやりとりをリアルタイムで通訳しています。オンライン通訳の需要は非常に高く、1か月先の予約までほぼ埋まっているような状況です。
2時間という限られた時間の中で、具体的にどのようにお仕事をされていますか。
まずは各クリニックとオンラインで接続し、中国語でご記入いただいた問診票の内容をコンシェルジュと一緒に確認します。その後、お客様と医師によるカウンセリングに進みます。お客様が抱えているお悩みを丁寧に聞き取り、正確に医師へお伝えします。
ご希望の施術であっても、肌の状態などによっては施術が難しい場合もあります。その際には、医師の説明を丁寧に通訳し、ご納得いただけるよう心がけています。
お客様は医師よりもコンシェルジュの方が話しやすく感じられることもあるので、医師とのカウンセリング後には、コンシェルジュとのカウンセリングにも同席します。注意事項やアフターケア、費用についてのご案内に加えて、医師には伝えにくかったようなお悩みについても、再度お客様に丁寧に確認していきます。その後、施術に入っていくという流れですが、時間に余裕があれば施術中の通訳も行っています。
2時間という通訳時間は、実はあっという間です。お客様がオンラインの通訳ルームに入室されるまでに20〜30分ほどかかることや、途中でデバイスの接続が悪くなることもあります。通訳時間が2時間を超えると、途中で対応を終了せざるを得ないため、その後は自社開発の通訳アプリ「SBC Speak Buddy」を使ってお客様がご不安にならないよう各院にて対応することになります。その場合も、お客様が通訳なしでも安心して施術を受けられるよう、必要な説明を優先して行い、しっかりと段取りを整えてから退出するように心がけています。
まさに“正確な判断力と気配り”が求められるお仕事ですね。
通訳の仕事では、相手の思いを瞬時にくみ取り、正確に相手へ伝えることが求められます。そのため、話の内容を漏らさずに聞き取る集中力や、適切な言葉に置き換える力が必要になるため、最初はとても苦労しました。特に医療や美容に関する専門用語は日常的に使わない言葉が多いので、言い回しに悩むことも。今も、どうすればよりわかりやすく伝えられるかを考えながら新しい表現を学び続けています。
オンラインでの通訳は、対面とはまた違った難しさがあるのではないかと思います。
そうですね。特にオンラインでは、表情や声のトーンの変化など、相手の様子を把握するための情報が限られている分、難しさがあります。例えば、表情が見えにくい場合などは、お客様のちょっとした心の変化にも気付けるよう、「何か不安なことはありませんか?」と何度も丁寧にお声がけするようにしています。お客様の中には、別の施術の話も聞きたいと思っている方もいらっしゃるので、聞きやすい雰囲気づくりも大切にしています。
お客様と向き合う中では、きっと悩んだり反省したこともあるのではと想像します。印象に残っているエピソードがあれば、お聞かせいただけますか?
ある日、お客様と2人きりのときに、お客様から美容に関するご質問を受けました。私は以前コンシェルジュとして働いていた経験があったので、自分の知識でその場でお答えしてしまったんです。でもその後、その内容が最新の情報と違っていたことに気付き、正しい情報を改めてお客様にお伝えしましたが、自分が通訳という立場を一瞬でも忘れてしまっていたことを反省しました。この経験をきっかけに、それ以降はどれだけ知識があっても自己判断で回答することはせず、必ずメモを取り、正確な情報を確認してから通訳するよう徹底しています。
SBCにはチャレンジを応援してくれる環境がある。周囲のサポートも万全
通訳という立場からお客様と関わる中で、特にやりがいを感じるのはどんなときでしょうか?
お客様から温かいお言葉をかけていただいたときでしょうか。
施術に対して不安を抱えているお客様から、たくさんのご質問をいただいたことがありました。その一つひとつに丁寧に、正確に通訳するよう心がけながら、できる限りお客様の気持ちに寄り添って対応しました。コンシェルジュの方もとても親身になって対応してくださり、お客様が安心してカウンセリングを受けられる雰囲気を一緒に作ることができたと思います。そのお客様とお別れする際に、「明日も元気でね」と言っていただいたことが今でも忘れられません。ご質問が多いお客様の対応は、難しさもある反面、それだけ信頼していただけていると実感できます。
また、現場には私よりも知識のあるスタッフがたくさんいるので、通訳の業務を通して「こんな施術もあるんだ」と日々新しい学びがあるのも、この仕事の楽しいところですね。
通訳として日々お客様対応をされている左さんから見て、「この仕事に向いているな」と感じるのは、どんな方でしょう?
語学力を活かしたい方や、人の役に立つ仕事がしたい方には、ぜひ挑戦していただきたいと思います。通訳の仕事では、予期せぬ質問や状況に直面することもあるので、冷静さや柔軟な対応力が求められます。オンラインでの対応ということもあり、画面越しでも落ち着いてやりとりができる方は、きっと活躍していただけると思います。
左さんのお言葉から、オンライン通訳(逐次通訳)という仕事の魅力がよく伝わってきます。では最後に、SBCで通訳を目指す方へ、エールをいただけますか?
誰でも最初は、不安や迷いがあると思いますが、SBCには、チャレンジする気持ちを支えてくれる環境があります。私自身、一歩ずつ学んで経験を積み重ねる中で、少しずつ不安が自信に変わっていくのを感じてきました。美容の知識がなくても、半年間の研修期間で施術の知識を学習することができますし、実際にクリニックへ足を運んでの研修など、しっかりした教育体制も整いつつあります。小さな努力の積み重ねは、自分の成長につながるだけでなく、お客様の安心にもつながっていきます。
SBCは優しい人が多くて、働きやすい職場です。悩みごとがあればすぐに社内チャットで相談できますし、上司との毎月の面談で思ったことを気軽に伝えることもできます。私自身は、そうした風通しのよさもすごく気に入っています。今不安を感じている方も、ぜひ自分の可能性を信じて、一歩踏み出してみてください。